肝斑(クスミ)
「なんとなく」の治療は、もう終わり。肌画像撮影機 re-Beau(レビュー)2が映し出す真実から、 皮膚科専門医が導き出す、あなたのための肝斑プログラム。
▍肝斑とは?

日本人を含む30~50歳代のアジア系女性に好発し、QOLを損ないやすい色素沈着症の1つです。
顔面の前額部、上眼瞼、両頬部、上口唇上部、下顎部などに対称性に生じ、淡茶色~淡灰色の斑点として認められます。
「頬骨部型」「眼周囲型」「口周囲型」「頬部外側壁型」の4型に分類も提案されております。
発症因子や悪化因子として紫外線(肝斑の方の病変部のコラーゲンは正常部と比べて光老化しているという報告もあります)、妊娠、経口避妊薬、ホルモン製剤、光毒性物質配合化粧品、ストレスなどが挙げられます。
▍はじめに:なぜ、あなたの肝斑は治らないのか?
肝斑は、一般的な「シミ(老人性色素斑)」とは発生メカニズムが全く異なります。女性ホルモンの関与に加え、「皮膚の慢性炎症」が本態であると考えられています。
多くの失敗例は、正確な診断を欠いたまま「強いレーザー」や「誤ったスキンケア」を行うことで、炎症を悪化させていることにあります。当院では、世界的な治療ガイドラインと最新のエビデンスに基づき、「診断→保存的治療→機械的治療」の3ステップで着実な改善を目指します。
▍re-Beau2による「肌の可視化」からスタート
当院では、初診時に最新の肌画像撮影機「re-Beau2」を用いた精密診断を必須としています。
・正確な鑑別診断: 肝斑、ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)、老人性色素斑の混在を多角的に解析。
・炎症と血管拡張の評価: 肉眼では見えない深部の炎症状態を確認し、今「攻めの治療」が可能かどうかを科学的に判断します。
・客観的な経過追跡: 治療ごとの変化を数値化し、効果を可視化することで、納得感のある治療を提供します。
▍【STEP 1:基盤】徹底的な「摩擦回避」とバリア機能の再建
EBMにおいて、肝斑治療の最優先事項は「物理的刺激の排除」です。わずかな摩擦もメラノサイトを活性化させる信号となります。
1.女性ホルモンの影響に対するケア
□ 妊娠時に悪化する可能性があり、その際は他の悪化因子回避をより強く意識しましょう。
□ 経口避妊薬・更年期ホルモン補充療法中の方は代替治療があれば婦人科担当医と相談してみましょう。
□ 月経の状況に異常や腹部症状があれば婦人科専門医にも相談しましょう。
2.紫外線、光に対するケア
□ 刺激が低く洗浄性のよいサンスクリーン剤を日常的に使いましょう。当院では朝外出前のプラスリストア「UVローション」を塗り、ビューティフルスキン「ノンUVミネラルパウダー」を都度追加することを推奨しております。そうすればクレンジングも簡単で、症状の悪化を回避できます。
□ 紫外線対策サプリメントカイゲンファーマ「ソルプロプリュスホワイト」(ヨウ素が含まれているため、甲状腺ホルモン剤を服用中の方も注意が必要です)の使用もオススメです。
3.刺激に対するケア
刺激や摩擦を与える不適切なスキンケアが肝斑を悪化させます。あらゆる刺激を意識してください。
□ マッサージは絶対にしないでください。
□ 洗顔時は洗顔料はよく泡立ててやさしく洗い(当院ではプラスリストア「クレンジングソープ泡ホームケア」を推奨)、たっぷりのぬるま湯でやさしく洗い流してください。すすぎのあと水気を拭くときも、やわらかいタオルを使い、肌をこすらずそっと押さえるように吸い取ります。
□ クレンジング(当院ではプラスリストア「クレンジングソープ泡ホームケア」を推奨)について浮かす・馴染ますを意識し、こすらず素早くおこないましょう。コットンで拭き取るタイプなどは使用しないでください。
□ ポイントメイクはできるだけ落としやすい化粧品を使用してください。肌に残りやすいこすって落とさなければならなくなるので症状を悪化させます。ファンデーションやコンシーラーも強くすり込んだりたたきこんだり、繰り返し塗り重ねて刺激したりしないようにしてください。
□ 化粧水や美容液、サンスクリーン剤を塗るときには指先ではなく、手のひら全体で優しく押さえるようになじませるようにしましょう。タッピングは厳禁です。
□ マスクは、肌触りがよく、表面が滑らかな素材のもので、紐の部分が食い込まないサイズを選ぶ。
□ 顔剃りもカミソリではなく電動シェバーなどで肌への負担は極力避けてください。
□ ピールオフタイプのパックやシートマスクは控えてください。
4.保湿、基礎化粧品によるスキンケア
□ 刺激、摩擦に注意しながら保湿ケアをおこないましょう。
□ スキンケア製品を選ぶ際、製品そのものによる刺激や発赤、乾燥を起こす場合は変更を検討ください。
□ 肝斑改善の美白用化粧品で悪化する場合もありますので、異常を感じたら中止しましょう。
5.その他の生活指導
□ 食事:カロテノイドやポリフェノールの摂取が有効という報告もあります。
□ 睡眠、ストレスのケア:適切なストレスの緩和と良質な睡眠を確保してください。
▍【STEP 2:内服・外用】リレー処方によるメラニン制御
薬理学的なアプローチにより、メラニン工場の稼働を内と外からブロックします。
1.戦略的内服プロトコル
・スキンマリア(ベースケア): 6種の有効成分をバランス良く含有し、抗酸化と代謝をサポートします。
・トラネキサム酸の「6:2」ルール: 血栓症リスクの低減と、受容体の感受性を維持するため、「6ヶ月連続内服・2ヶ月休薬」を遵守します。
・休薬期間のリレー処方: 休薬中の2ヶ月間はハイシー(ビタミンC)とユベラ(ビタミンE)へ切り替え、メラニン合成の再燃(リバウンド)を医学的に防ぎます。
2.高機能ドクターズコスメによる外用療法
・ガウディスキン:
トラネキサム酸配合のTAローション、およびハイドロキノン。
・カリグラム(コジブライト):
浸透型コウジ酸誘導体を用い、異なる経路からメラニン生成を阻害します。
・アゼライン酸(AZAクリア):
比較的廉価で小児や妊婦にも使用できる安全性も高い小麦やライ麦などの穀類に含まれる天然由来成分です。
3.トラネキサム酸について
トラネキサム酸は、プラスミン(メラノサイト活性因子)の阻害により作用を発揮するとされます。
以下のリスクもあるため、連続服用期限は原則3ヶ月、有効であれば一定期間休薬後再開検討となります。
トラネキサム酸は血栓安定化作用があるため、
□ 血栓傾向のある人
□ 重度の下肢静脈瘤のある方
□ 術後の長期臥床予定の方
□ エコノミークラス症候群
などが起こりやすい環境に置かれる方は、内服中止の必要があります。
トラネキサム酸を内服できない方や内服治療の休止期間などは、トラネキサム酸を配合した化粧品(ガウディスキン:インナーモイストTAローションに配合)などの使用を検討するとよいでしょう。


▍【STEP 3:機械的治療】慎重な「攻め」の補助療法
内服・外用で炎症が十分に鎮静された段階で、補助的な機械的治療を導入します。
・ピコトーニング(エンライトンSR):
従来の熱による破壊ではなく、衝撃波(ピコ秒)でメラニンを粉砕。周囲組織への熱ダメージを抑え、肝斑を悪化させずに色調を改善します。
・ジェネシス(補助):
真皮層への熱刺激により微細血管を改善し、肌の代謝(ターンオーバー)を底上げします。
・ベビーピール(補助):
サリチル酸マクロゴールを用い、角質を整えて外用薬の浸透率を向上させます。
※ いずれの治療も刺激により肝斑を悪化させるリスクもありますので留意ください。
▍当院でのの肝斑治療フロー
1.初診:re-Beau2撮影: 皮膚科専門医による精密診断と方針決定。
2.初期導入(1〜2ヶ月): 摩擦回避、内服、外用。
3.評価・ステップアップ: re-Beau2で再評価後、必要に応じてトーニング等を併用。
4.メンテナンス: 改善後の維持療法と、トラネキサム酸の休薬管理。
▍医師からのメッセージ:肝斑治療をお考えの方へ
肝斑は「魔法のように一度で消える」ものではありません。しかし、医学的な根拠に基づき、正しい順番でケアを行えば、必ずコントロールできる疾患です。自己判断のケアで遠回りをする前に、まずは当院の精密診断をお受けください。