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帯状疱疹

 


\ 院長からひと言 /
 

 

帯状疱疹は、水ぼうそうと同じウイルス(水痘・帯状疱疹ウイルス)が原因で起こる病気です。このウイルスは、子どもの頃に水ぼうそうにかかると体内の神経節に潜伏し、加齢やストレス、病気などで免疫力が低下したときに再び活性化して発症します。

初期症状として、体の片側にピリピリ、チクチクといった神経痛のような痛みや違和感を感じ、数日後に赤い発疹や水ぶくれが帯状に現れます。多くの場合、数週間から1ヶ月ほどで治癒しますが、高齢の方や免疫力が低下している方、また重症化した場合は「帯状疱疹後神経痛(PHN)」という痛みが長く続く合併症に移行することがあります。

治療は抗ウイルス薬の内服が中心です。発症後、72時間以内に治療を開始することが重要とされており、早期治療が神経痛への移行を防ぐ鍵となります。


帯状疱疹とは
 

 

帯状疱疹は、「水痘・帯状疱疹ウイルス(Varicella-zoster virus)」が再活性化することによって発症する感染症です。子どもの頃に水ぼうそうにかかった後、ウイルスは体内の神経節に潜伏しています。通常、免疫力によって活動が抑えられていますが、免疫力が低下するとウイルスが再び増殖し、神経に沿って移動して皮膚に帯状の発疹や水ぶくれを引き起こします。

日本人の場合、80歳までに約3人に1人が帯状疱疹を経験するといわれています。

​リスクファクターとして、加齢(50歳以上)、糖尿病、性別(女性の方が男性より発症しやすい)、家族歴(帯状疱疹は周囲の人に帯状疱疹としてうつることはありません)、慢性腎臓病(CKD)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、過労・精神的ストレス、妊婦、膠原病(関節リウマチなど)、アトピー、外傷、悪性腫瘍・化学療法、免疫抑制のある疾患・免疫抑制剤投与などが挙げられます。


症状と治療
 

 

症状は、体の片側の神経に沿って、ピリピリとした痛みやかゆみ、違和感から始まります。その後、数日経ってから、痛みを伴う赤い発疹や水ぶくれが帯状に現れます。

発疹は、胸から背中にかけて、お腹、顔、手足など、体のどこにでも発生する可能性があります。

帯状疱疹後神経痛は、皮膚の症状が治った後も、痛みが3ヶ月以上続く状態です。焼けるような痛み、電気が走るような痛み、ズキズキとした痛みが特徴で、日常生活に大きな影響を及ぼすことがあります。

帯状疱疹の治療は、ウイルスの増殖を抑える抗ウイルス薬の内服が基本です。

• 抗ウイルス薬の内服

• 発症から72時間以内に服用を開始すると、効果が高いとされています。早期に治療を開始することで、症状の重症化を防ぎ、帯状疱疹後神経痛への移行リスクを減らすことができます。

• 通常、1日3回から5回の服用を1週間ほど続けます。

• 重症の場合は、入院して点滴による治療を行うこともあります。

• 痛み止め

• 痛みが強い場合は、鎮痛剤を併用することがあります。

• 帯状疱疹後神経痛に対しては、通常の鎮痛剤が効きにくい場合があり、プレガバリン、ミロガバリンといった神経痛に特化した薬や、三環系抗うつ薬、漢方薬などが使われることもあります。


生活で気を付けることは?

 

 

• 安静にする: 疲労やストレスが発症の引き金となるため、十分な睡眠と休息をとり、安静に過ごすことが大切です。

• 患部を清潔に保つ: 患部を掻きむしると細菌感染を起こすことがあるため、清潔に保ち、触らないようにしましょう。

• 感染対策: 帯状疱疹の水ぶくれにはウイルスが含まれています。水ぶくれが破れて飛び散ると、水ぼうそうにかかったことのない乳幼児などに水ぼうそうとして感染させる可能性があります。発疹が治るまで、タオルや食器の共有を避け、特に免疫力の低い方や子どもとの接触は控えるようにしましょう。

帯状疱疹ワクチン.png

• ワクチン: 帯状疱疹はワクチンで予防できます。50歳以上の方が対象で、帯状疱疹の発症を抑えたり、重症化や帯状疱疹後神経痛への移行を防ぐ効果が期待できます。

• シングリックス: 2ヶ月間隔で2回接種

• 乾燥弱毒生水痘ワクチン: 1回接種

帯状疱疹は早期の診断と治療が非常に重要です。体の片側に痛みや違和感を感じたら、なるべく早く皮膚科を受診するようにしましょう。

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熊本県玉名市の皮ふ科医院

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