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円形脱毛症

\ 院長からひと言 /

円形脱毛症は、頭を中心としその他の部位にも起こる脱毛性疾患で、発症すると自己のボディーイメージの低下をきたし、QOL(Qualitie of life)を著しく低下させます。

また、軽症のものは自然治癒することもありますが、慢性・再発性となることも多く、治療期間も長期に及ぶこともあります。

体質性疾患であるため、根本的な治療法はありませんが毛根を攻撃する過剰な免疫を抑えることにより発毛を促す治療法はあります。

​一日でも早く毛髪が回復するよう治療サポートしますので、円形脱毛症で悩まれている方は是非受診をしてください。

​円形脱毛症とは

円形脱毛は、子供から大人まで幅広い年齢に発症し、また、頭部のみならず全身のどこにでも起こりうる脱毛症です。

​毛包をターゲットとした自己免疫疾患であり、重傷タイプほど難治かつ再発性となり、年余に渡ることもあります。

脱毛斑の数、範囲、形態などにより、単発型、多発型、全頭型、汎発型、蛇行型に分類され、タイプにより治療方針も異なります。

​円形脱毛症の症状と治療

 

初診時、脱毛面積が25%未満の患者さんであれば68.3%で脱毛斑が消失するが、脱毛面積が50%以上の患者さんでは回復率が10%以下とする報告もあります。また、本邦でも単発、または少数多発の円形脱毛症では1年以内に73.6%で脱毛斑が消失したとの報告もあります。

円形脱毛症は甲状腺疾患などの自己免疫疾患を合併することもあり、円形脱毛症のように見えて異なる疾患のこともありますので、きちんと皮膚科で検査診断をしてから治療開始するようにしてください。

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典型的な円形脱毛症

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頭部以外も・・・

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​重症の全頭型

 

治療は、基本は局所療法です。脱毛斑の広さを基準にステロイドによる局所療法と局所免疫療法を使い分けします。

急激に脱毛斑が拡大している急性期(発症から半年以内)症例では、ステロイド内服やステロイドパルス療法を検討します。

また、発症から6ヶ月以上経過し、脱毛斑が概ね全頭の50%を超える症例ではJAK阻害薬の投与を検討します。

 

【局所療法】

□カルプロニウム塩化物外用療法:

□セファランチン/グリチルリチン製剤内服療法:

□ステロイド外用療法:

・脱毛面積25%程度までの症例では・・・

□ステロイド局所注射:ケナコルト-A皮内用関節腔内用水懸注50mg/5mL使用

・脱毛面積が25%以上の症例では・・・

□squaric acid dibutlester(SADBE)やdiphenylcyclopropenone(DPCP)を用いた局所免疫療法(保険適用外):

 →保険外のため実施施設へ紹介

【全身療法】

□ステロイド内服:

□ステロイドパルス療法:重症型の急性増悪期に実施

 →入院が必要なため実施施設へ紹介

□JAK阻害剤:慢性期の重症型(頭部の脱毛範囲が50%以上)

 →投与前精密検査が必要なため実施施設へ紹介

円形脱毛症に適応があるJAK阻害薬には、次のようなものがあります。

  • オルミエント(バリシチニブ):JAK1/JAK2を阻害する薬剤で、2022年6月に円形脱毛症の適応となり、15歳以上を対象に適応が追加されました。国際的な臨床治験で治療効果が証明されており、円形脱毛症に対する内服治療薬としては初めてです。

  • リトレシチニブ(リットフーロ):JAK3/TECファミリーキナーゼ阻害薬で、2023年9月に重症円形脱毛症に保険適用のある新規薬剤として販売開始となりました。12歳以上に投与でき、こちらも内服治療薬です。

  • いずれも頭部全体の50%以上に脱毛斑があり、かつ過去6か月間毛髪に自然再生が認められない方が適応となります。

  • JAK阻害薬は内服で、食前・食後どちらでも服用できます。治療効果は通常投与開始から36週までには得られ、36週までに効果が得られない場合は投与中止を考慮することとされています。

 

【その他治療】

□紫外線療法(2020年より保険適用):

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□ストレスやウィルス感染などは悪化要因とされております。精神的にも肉体的にも健康的な生活を心がけましょう。

​□円形脱毛症は永久に毛髪が生えなくなるという病気ではありません。過度に悲観的になり、ストレスを増幅しないようにしましょう。

□外見や他の人からの視線が気になってストレスになる方はウィッグの着用などを検討しましょう。

​生活で気を付けることは?

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