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尋常性白斑

 

\ 院長からひと言 /

 

尋常性白斑は、皮膚の色がまだらに白く抜けてしまう病気です。痛みやかゆみがないため、病気と認識されにくいこともありますが、特に顔や手など、目立つ部分にできると、大きな精神的ストレスにつながることがあります。

「治らないから…」と諦めてしまう方もいますが、適切な治療を根気強く続けることで、症状の改善が期待できます。一人で悩まずに、まずは専門医に相談してください。

尋常性白斑とは?

 

尋常性白斑は、皮膚の色を作る色素細胞(メラノサイト)が失われることで、皮膚が白く抜けてしまう病気です。

皮膚の表面がカサカサしたり、盛り上がったりすることはなく、見た目以外に自覚症状はほとんどありません。

原因はまだ完全に解明されていませんが、自己免疫疾患の一種と考えられています。つまり、自分の免疫システムが、何らかの理由でメラノサイトを攻撃してしまうことで起こるとされています。

遺伝的な要因や、ストレス、紫外線、怪我などが発症の引き金になると言われています。

 

原因と種類

 

尋常性白斑は、その症状の広がり方によっていくつかの種類に分けられます。

• 非分節型(全身型)

• 特徴:全身のあちこちに、左右対称に白斑が広がるタイプです。顔、首、手足、体幹など、様々な場所に症状が現れます。

• 原因:自己免疫機能の異常が関わっていると考えられています。白斑のほかに、円形脱毛症や甲状腺疾患、糖尿病などの自己免疫疾患を合併することもあります。

• 分節型

• 特徴:体の左右どちらか片側の一部分だけに症状が現れるタイプです。体の神経の走行に沿って白斑が広がるのが特徴です。

• 原因:神経の異常が関わっていると考えられています。非分節型に比べて進行が早く、治療に反応しにくい傾向があります。

 

​治療法は?

 

尋常性白斑の治療は、失われた色素細胞を再生させることを目指します。

完治は難しい場合もありますが、根気よく治療を続けることで、色素沈着を促し、症状を改善させることが可能です。

​治療方法

• 外用薬による治療

• 方法:ステロイド外用薬やタクロリムス軟膏を白斑部分に塗布します。

• 目的:免疫の異常を抑え、色素細胞の再生を促します。

• 光線療法

• 方法:紫外線を白斑部分に照射する治療法です。ナローバンドUVB療法やエキシマライト(エキシマレーザー)療法が主流です。

• 目的:色素細胞の増殖を促し、色素沈着を誘導します。

• 手術療法

• 方法:正常な皮膚から色素細胞を採取し、白斑部分に移植する手術です。

• 目的:外用薬や光線療法で効果が見られない場合や、分節型白斑など、特定のケースで行われます。

どのような治療法が適切かは、白斑の種類、広がり、部位、患者さんの年齢などを総合的に判断して医師が決定します。

​生活で気を付けることは?

 

尋常性白斑の患者さんは、白斑部分が日焼けしやすいだけでなく、新たな白斑ができるリスクもあります。

• 紫外線対策:日焼け止めを塗ったり、帽子や長袖の衣類を着用したりして、紫外線から肌を守りましょう。

• スキンケア:皮膚への刺激を避けるため、ゴシゴシ洗いすぎないように注意し、保湿を心がけましょう。

• ストレス管理:ストレスは症状を悪化させる一因となるため、適度な運動や趣味などで、ストレスを上手に解消しましょう。

​© 2022-2024 永田皮ふ科医院

熊本県玉名市の皮ふ科医院

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