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皮ふ良性腫瘍

 

\ 院長からひと言 /

 

皮ふ良性腫瘍は「できもの」とも呼ばれ、皮膚にできる様々な種類の腫瘍の総称です。そのほとんどは命にかかわるものではなく、心配する必要はありません。しかし、見た目が気になる、痛みやかゆみがある、大きくなって邪魔になる、あるいは悪性腫瘍(皮膚がん)との見分けがつきにくい、といった理由から、治療や診断が必要になることがあります。

「これって、なんだろう?」と不安に思ったら、自己判断せずに、迷わず皮膚科を受診してください。

皮ふ良性腫瘍とは?

 

皮膚良性腫瘍は、皮膚を構成する細胞が異常に増殖することでできる「できもの」です。

悪性腫瘍(がん)のように、他の臓器に転移して命にかかわることはありません。

種類は非常に多く、その発生原因やできる場所、見た目も様々です。

ほとんどが美容上の問題や、日常生活の妨げになることによって治療の対象となります。

 

代表的な種類

 

皮膚良性腫瘍には、以下のような代表的な種類があります。

• 脂漏性角化症(老人性イボ)

• 特徴:顔や頭、体幹などによくできる、茶色から黒色の盛り上がったできものです。表面がザラザラしていて、大きさや数は様々です。

• 軟性線維腫(スキンタグ)

• 特徴:首やわきの下、鼠径部など、皮膚が擦れやすい場所にできる、柔らかい小さな突起物です。色も肌色から褐色まで幅広く、数も様々です。

• 粉瘤(アテローマ)

• 特徴:皮膚の下にできる、硬いしこりのようなものです。中央に黒い点(開口部)があることが多く、中に溜まった垢や皮脂が細菌感染を起こすと、赤く腫れて痛みを伴うことがあります。

• 血管腫(イチゴ状血管腫、老人性血管腫など)

• 特徴:毛細血管が増えることでできる、赤色や紫色の「できもの」です。乳幼児期にできるイチゴ状血管腫は自然に消えることが多いですが、成人後にできる老人性血管腫は自然に消えることはありません。

• 母斑細胞母斑(ホクロ)

• 特徴:誰もが持っているもので、メラニン色素を作る細胞(母斑細胞)が増殖してできるものです。色が均一で形が左右対称、大きさが6mm以下であれば良性の可能性が高いです。

 

​治療法は?

 

皮膚良性腫瘍の治療は、主に「切除」と「焼灼(しょうしゃく)」です。

​治療方法

• 手術による切除

• 方法:メスを使って腫瘍を切り取り、縫い合わせます。悪性の可能性がある場合や、腫瘍が大きく根が深い場合に行われます。

• 炭酸ガスレーザーによる焼灼

• 方法:レーザーで腫瘍を蒸散させ、削り取るように除去します。傷跡が残りにくく、比較的小さな腫瘍の除去に適しています。

• 液体窒素による冷凍凝固

• 方法:非常に冷たい液体窒素を腫瘍に当てて凍結させ、壊死させる方法です。主に脂漏性角化症(老人性イボ)の治療に用いられます。

どのような治療法が適切かは、腫瘍の種類、大きさ、部位、患者さんの希望などを総合的に判断して医師が決定します。

​生活で気を付けることは?

 

「できもの」に気づいたら、自分で無理に取ろうとしないでください。無理に潰したり、市販のイボ取りクリームなどを使用したりすると、かえって炎症を起こしたり、傷跡が残ったりすることがあります。

また、ホクロが悪性(メラノーマ)ではないかと心配な場合は、以下の兆候に注意し、早めに皮膚科を受診してください。

• 形が左右非対称

• 境界線がギザギザしている

• 色が不均一(部分的に濃かったり薄かったりする)

• 大きさが6mm以上

• 短期間で急に大きくなった、形が変わった

​© 2022-2024 永田皮ふ科医院

熊本県玉名市の皮ふ科医院

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