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イボ・水イボ

\ 院長からひと言 /

 

イボ・水イボはウィルス感染症です。特効薬はなく最終的には自己の免疫により駆逐されることを期待しながら治療を行います。自然治癒も期待できますが、感染症であるため「自家感染」したり「周囲の方々に感染」させるてしまう可能性もあります。

また、イボは隆起すると圧迫による痛みなども伴うようになるので、早期治癒を望む場合は液体窒素などで冷凍凝固で脱落を図る場合もありますが、施術の痛みも強く再発することも多々あるため、まずは漢方薬(ヨクイニン)の内服や塗り薬による治療を行うことが多いです。​

水イボは比較的感染しやすいため、拡大阻止目的で摘除する場合もあります。

​イボ・水イボに悩まれている方は一度受診をお勧めします。

イボ・水イボとは?

 

​イボと水イボは全く異なる疾患です。

皮膚科専門用語では、通常のウィルス性イボは「疣贅」、水イボは「伝染性軟属腫」と呼ばれ、比較的ありふれた良性腫瘍です。

イボを引き起こすウィルスは、ヒト乳頭腫ウィルス(human papillomavirus:HPV)で200種類以上存在されるといわれています。

​一方、水イボはポックスウィルス科に属する伝染性軟属腫ウィルスによる感染症で、主には幼・小児に光沢のあるブツブツとして認められます。​

​イボの症状と治療

 

イボはそのウィルス型が200種類以上存在するとされ、ウィルスのタイプにより様々な外観や性質をとります。

下に示す写真は典型的な例です。手足に好発し、数mmから1cm大の結節を生じ徐々に増大、増数します。他にも指/糸状疣贅や爪下・爪囲疣贅、足底疣贅/モザイク疣贅、ドーナツ疣贅なども多々見受けられます。

​その他特殊型として、扁平疣贅、尖圭コンジローマ、疣贅状表皮発育異常症、ミルメシア、ブッチャー疣贅、ウィルス性足底表皮嚢腫、色素性疣贅、点状疣贅、ボーエン様丘疹症と手指のボーエン病など多様性があります。

イボのように見えて異なる疾患のこともありますので、きちんと皮膚科で検査診断をしてから治療開始するようにしてください。

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典型的なイボ

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手指疣贅

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足底疣贅

 

治療は、様々な治療法が考案されてますが決定的なものはなく、一般的には液体窒素凍結療法が第1選択とされています。

 

液体窒素凍結療法:

-196度の液体窒素を綿棒に染み込ませ数回圧抵します。痛みを伴いますし、再発することも多々ありますが1回の施術で治癒する場合もあります。施術後数日間痛みや腫れ、水ぶくれが出現する可能性があります。程度が軽ければそのまま経過をみるとうまくいけば3~4週間でカサブタ化して脱落します(固着していることもありますので指示に従い再診ください)。

 

□外用療法:

スピール膏貼付(2~5日毎に貼り替え)や市販消毒薬の塗布など。

□内服療法:

ヨクイニンエキス:国内一貫生産で生産管理・品質管理・安全管理された環境で、無農薬のハトムギの種皮を取り除きエキスを抽出し製剤化された医療用医薬品です。

薬効を裏付ける 抗ウイルス作用…試験成績 本剤を健常人に投与したところ、末梢血白血球数とそ の分画に有意な変動はみられなかったが、末梢血リンパ球サブセットでは、NK活性細胞であるCD16+ CD57− およびMHC非拘束性細胞障害性T細胞であるCD3 +CD56+ の比率が増加したとの報告があります。

小児などでは内服や外用治療から行いますが、時間がかかることが多いです。通常1つの治療を3ヶ月間継続し無効であった場合は効果の期待値が下がるとされておりますので随時治療法変更を検討します。

 

もちろん、患者さんが希望される場合は液体窒素凍結療法実施はいつでも実施可能です(基礎疾患などで血流障害や感染症など施術によるトラブルのリスクが高い方は実施不可能な場合もあります)。

水イボの症状と治療

 

主には幼児・小児に感染し、体幹、四肢に多発する径2~5mmのドーム状に隆起する皮膚色や淡紅色・淡褐色の光沢のあるブツブツで、稀に大人にも感染します。通常自覚症状はないですが、軽い痒みや周囲の湿疹反応を伴うこともあります。

 

治療は、最近は数カ月げから1~2年で脱落・自然治癒することも多いことから、小児科などでは無治療で自然治癒を待つ方針をとる医療機関が増えておりますが、夏のプール時など感染拡大阻止やエチケット目的で治療のためにに皮膚科に来院される方が多い印象です。

□物理的除去:

​ピンセット(トラコーマ鑷子)を用いて内容物の軟属腫小体を物理的に圧出除去します。痛みの低減対策として麻酔薬アレルギーなどなければ麻酔テープ(ペンレステープ)を貼付して1時間ほど効かせてから施術します(無痛ではないし、恐怖心で結局泣いてしまうことも多いです。)数が多すぎる場合は複数回に分割して摘除実施します麻酔テープ使用の場合、待機時間が診療終了時刻を超えそうな場合は後日実施となりますため了承ください。

​生活で気を付けることは?

 

1.患部を、不必要に触ったりこすったりはしないようにしてください。ウィルスを環境中に散布したり自家感染したりします。痒みを伴ってどうしても掻いてしまう場合や、細菌感染して腫れ・痛みなどを伴う場合は治療も必要な場合がありますので受診してください。

2.通常のイボは上記対応で十分ですが、水イボは直接・間接の接触を極力意識し、プール時などは管理者の方針に従い必要があれば受診して治療を受けてください。

3.本疾患で登校・登園の制限は必要ありません。

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