破傷風ワクチン
破傷風とは
外傷部への嫌気性グラム陽性桿菌であるClostridium tetaniの感染によって起こる急性感染症で、年間の死亡者数は世界で50万人以上とも言われています。
これは病院での出産が増え新生児の感染者数が激減したことが最も大きな要因で、小児期の三種混合ワクチンも低年齢層の患者の減少に寄与しています。発生数は届け出数では、平成4年で47人だが、これは実数より少ないので、正確な死亡率は不明だが、おおよそ20%程度と考えられます。
全身管理(呼吸管理や抗けいれん薬の発達など)の進歩により、死亡率も低下しているのは間違いないです。
多発地域は太平洋岸で、春から秋に多いです。
積極的に破傷風予防を行うべき外傷
□ 6時間以上経過した創傷
□ 深さが1cm以上の創傷
□ 錆・土壌・便などで汚染した創傷
□ 星形の創傷
□ 挫滅創・熱傷・凍傷・銃創
□ 血流や神経支配のない創傷
□ 咬傷
破傷風ワクチンについて
破傷風で最も大事なことは予防です。
日本では昭和43年(1968年)以降に生まれた子供は破傷風トキソイド(TT)による能動免疫が基礎免疫として実施されています。
□ DPT3種混合0.5mlで乳児期に3回接種
□ 1年後にDPT3混0.5mlで4回目接種
□ 通常小学校6年時に第2期接種(DT2混0.1mlで1回追加)
以上で22歳ころまでは十分な抗体価は維持されます。ただ、若年者でも10%程度はアレルギーなどの理由で予防接種を受けていないものがあり、また5~6年で抗体価が低下することもあります。
海外渡航に際しての追加接種の場合 / 昭和43年以前に出生した方で初めての接種 / 破傷風菌の感染が心配される汚い外傷の場合
□ 破傷風トキソイド0.5mlを1ヶ月程度空けて2回接種
□ 1年後に追加接種すれば、約10年間は大丈夫と考えられています。
破傷風トキソイド接種後1週間ほどして接種部位が腫脹した場合は、多くは以前に接種されたケースであり、この場合は1回でも効果が期待できるため追加はしません。
非汚染創の場合:
・基礎免疫完了3年以降、および未完了・不明にかかわらず破傷風トキソイドを1回接種する。
・破傷風免疫グロブリンは不要。3年以内はトキソイドも不要です。
・基礎免疫がある対象では、破傷風トキソイドは1回で十分であり、2回接種はしない。
・DPT3種混合ワクチンを全く、あるいは1~2回までの接種しかしていない小児および成人の場合
次の方は接種を受けられません
□ 明らかに発熱している方(37.5度以上)
□ 強い急性疾患にかかっていることが明らかな方
□ このワクチンの成分によってアナフィラキシーを起こしたことがある方
□ 妊娠していることが明らかな方
□ 先天性および後天性免疫不全状態の方
□ 副腎皮質ステロイド剤や免疫抑制剤などの治療を受けており、明らかに免疫抑制状態の方
□ その他、医師に予防接種を受けない方がよいといわれた方
他のワクチンとの接種間隔
接種後の注意点
□ 接種後30分間:アナフィラキシー発現の注意
・接種後30分はクリニックにいるなどして、様子を観察し、アレルギー反応(症状例:じんましん、呼吸が苦しい)などあれば医師とすぐに連絡を取れるようにしておきましょう。
□ 接種当日ーその後:過ごし方の注意
・接種当日の入浴は差し支えありませんが、接種部位をこすらないでください。
・接種部位を清潔に保ち、接種当日は激しい運動や大量の飲酒は避けてください。
・接種後2カ月間は妊娠しないように注意してください。
□ 接種後4週間:副反応出現の注意
・接種部位の異常な反応や体質の変化があった場合は、すぐに医師に相談してください。
料金は?
接種対象:50歳以上の方
※ 在庫切れの場合は、お取り寄せで後日接種となりますのでご容赦ください。