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円形脱毛症

円形脱毛症とは?

 

円形脱毛症は典型的には頭部に円形~類円形の脱毛斑を生じ、病理学的に成長期毛包の毛球部周囲へのリンパ球浸潤を特徴とする自己免疫疾患といわれています。

円形脱毛症は頭部だけでなく、全ての体毛に脱毛が生じえます。また、重症例では爪甲も侵され点状陥凹や、粗造化がみられます。

以下に示す5病型に分類されています。

・単発型

・多発型

・蛇行型(ophiasis型)

・全頭型

・汎発型

・急性期

・固定期(慢性期:発症後およそ半年を超えた頃)

S0:脱毛なし

・S1:脱毛面積が頭部全体の25%未満

・S2:同25~49%(以下が重症)

・S3:同50~74%

・S4:同75~99%

・S5:全頭脱毛(同100%)

・B0:頭部以外の脱毛なし

・B1:頭部以外の部分脱毛あり

​・B2:全身脱毛

全身性エリテマトーデス(SLE)や梅毒でも円形脱毛症様の脱毛斑を生じることがあります。

また、甲状腺疾患や尋常性白斑、SLEに代表される膠原病、Ⅰ型糖尿病、重症筋無力症などの自己免疫疾患と合併することが知られ、必要に応じ合併症の有無を確認するための血液検査などを行います。

円形脱毛症の治療は?

 

推奨度の高い治療

ガイドラインでB:行うよう薦める

・ステロイド局所注射:4週間に1回実施

・局所免疫療法:DPCP / SADBE

・ステロイド外用

ガイドラインでC:行ってもよい

・ステロイド内服:プレドニン(5mg)1日6錠分3(3-2-1)毎食後適宜漸減

・点滴静注ステロイドパルス療法:メチルプレドニゾロン500mg:1日1回点滴静注3日間連日(入院)

・抗ヒスタミン薬

・セファランチン内服:セファランチン錠(1mg):1回1錠1日3回毎食後

成人急性期 S2未満:

 □ステロイド外用・局注

成人急性期 S2以上:

 □急速かつ広範囲→点滴静注ステロイドパルス療法

 □中等量ステロイド内服

成人症状固定期 S2未満:

 □ステロイド局注

 □外用併用

 □局所免疫療法:DPCP / SADBE

成人症状固定期 S2以上:

 □局所免疫療法:DPCP / SADBE

 □ステロイド外用(密封療法も考慮)

小児に治療の考えかた:

 □小児(15歳以下)では原則ステロイドの全身投与はパルス含め行わない

 □ステロイド外用 

 □局所免疫療法:DPCP / SADBE

\ 院長からひと言 /

 

多くは、誘因なく発症しますが、ストレスやウィルス感染症・季節の変わり目(春先・秋口)などの免疫変調で発症や悪化をよく経験します。各々、ストレス緩和策や規則的健康的生活、手洗いうがいなどによるウィルス感染対策を実施しましょう!

​単発型は治療効果が出やすいですが、多発型は難治で再発も多いです。最重症タイプの全頭型や汎発型は治療反応が乏しいことも多いですが、気長に取り組んでいきましょう!

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